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神の村トレッキング5
INDEX
雨崩への旅のもう一つの目的は同行の李明君のチチハル時代の同級生の追悼である。彼の同級生は1990年代初の梅里雪山日中登山隊遭難の中国メンバーだった。李君は彼の追悼を願った。神湖への登山は下村から急激な登りが続く。神湖登山は5,000m付近まで登るのでガイドの扎西君と親しくなるため、その前日の冰湖にも彼と一緒に登った。その時彼は、明日の神湖はこんな登りではないよ。75度の坂できついよと話していたが、やはりそうだった。
上村の民宿から左に見えた急斜面を登り始めた。雑木の森の登山道はやがて竹林が延々と続く風景に変わる。1,000mほどの高低差、しかも4,000mの高所に一気に登ったのでとにかく息が苦しく、これは大変だ。帰りの時間を考えると、今日は神湖に行くのは難しいかな、せめてその手前の雄大な景色が拡がる草原くらいまで登れたらいいかな、と心の中で思いながらガイドの扎西君の後ろ姿を追いかけ必死に登った。