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灼熱の大地を歩き緑の谷で憩う
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- 灼熱の大地を歩き緑の谷で憩う【火焔山】
- 灼熱の大地を歩き緑の谷で憩う2【葡萄溝】
吐魯番(トルファン)の火焔山を訪ねた。火焔山。言葉の通り燃えるような暑さを想像していた。しかしその日の42度の気温も前日の托克遜の熱風がさわやかな気候に変えた。
火焔山はトルファン近郊の東西98㎞、南北10㎞に及ぶ7500万年前の地殻変動でできた赤褐色の山々の総称である。火焔山の年平均降水量は16.6mm、平均地表温度は70度、最高温度は83度に達し、時に炭層が燃えて煙が昇り、西遊記の舞台となった。草も生えない褐色の大地を歩き西遊記の世界に身を置きながら、しばし砂漠を行くシルクロードの旅人に思いをめぐらせた。
甘粛省から鉄道で烏魯木斉に向かうと酒泉(シュセン)、嘉峪(カヨク)関を過ぎるともうそこは砂漠で火焔山が続いている。シルクロードのほとんどはそんな道である。あらためて天山の緑の谷を通る旅人の心がわかるような気がした。
火焔山のずっと向こうに海抜零メートルよりさらに低い地平が見えている。
焔の大地を歩いていると、どこからか三蔵法師、孫悟空や猪八戒が現れる、ふとそんな気がした。