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カルスト地形の桃源郷を訪ねて
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- カルスト地形の桃源郷を訪ねて【荔波茂蘭(リブモラン)】
広西壮(チワン)族自治区や貴州省を車で走ると延々と三角錐のカルスト地形の山が続いている。地平の向こうまで続く山々を見ているとその向こうに桃源郷があると思えてくる。きっとその山の上に登れば桃源郷が見えるに違いない。そんな思いを抱きながら貴州省の茂蘭(モラン)に行き三角錐の山の頂上に登った。頂上から下を見れば山の麓を縫うように道がどこまでも続いている。そして村の棚田が黄金色に輝いている。茂蘭には水族、瑶(ヤオ)族、依(イ)族が暮らしている。彼らは千数百年の間、“以山為隣、傍水而居、日出而作、日落而息、男耕女織”(山や水と共に暮らし、陽が昇れば耕し、陽が落ちれば休み、男は耕し女は布を織る)の暮らしを送ってきたのだろう。山を下りて村の中を歩いた。水辺に映る山、その向こうの農家の佇まいは、ここは彼らが静かに暮らす桃源郷だよと語りかけているようだった。ヤオ族の村の農家に入らせてもらった。若いお母さんが赤ちゃんをおんぶし、昔なつかしい土間の生活の匂いがする。軒下には藍染めの布が干されていた。