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神々の山
INDEX
- 神々の山【仙乃日1】
- 神々の山2【仙乃日2】
稲城の日瓦鎮からぞっとするような崖の上の狭い道をバスは山肌を縫うように走り、亜丁の村に近づくとバスの正面に仙乃日の名峰が見えて訪れる人を出迎えてくれる。亜丁村、ここはチベット族の信仰の地である。村は「観音」「文殊」「金剛」の三位菩薩にたとえられる三つの雪峰に囲まれていた。一番高い山は標高6,032mの北峰、観世音菩薩の仙乃日である。その姿はまるで慈母観音のようでもあった。仙乃日の麓には仏様に仕えるように冲古(チョンク)寺があり、寺は紅葉に映え金色に輝いていた。仙乃日の足もとには海抜4,100mにある卓瑪拉措(ツオマラ)湖、別名、珍珠海が静寂の中で碧い水をたたえている。「碧波蕩漾」の言葉のように碧い水が静かに波打ち、仙乃日の麓には慈母観音を愛でるかのように金色の紅葉が輝いている。珍珠海の湖畔を歩き、仙乃日が間近に見えるところに行き、時間が経つのも忘れて景色をながめているとまるで御仏の前にひざまずき祈りを捧げているような気持ちになる。