※このページに掲載した写真は個人利用に限り自由にご利用いただけます。
著作権について
碧水、碧空、山花爛漫の伊犁河谷へ
INDEX
- 碧水、碧空、山花爛漫の伊犁河谷へ【賽里木(サリム)湖】
- 碧水、碧空、山花爛漫の伊犁河谷へ2【賽里木湖から果子(クォツ)溝へ】
烏魯木斉から国道218号を6時間ほど走る。帯のような白い雲がまるで空の道のように浮かんでいる。風力発電の風車がならんでいる。雄大な景色に見とれていると突然、賽里木(サリム)湖が視界に飛び込む。それは標高2071mの新疆で最も高いところにある高地の湖だった。湖には小さな川が流れ込むだけで湖水は地下の湧き水、夏でも手を浸けると身をきる冷たさという。毎年12月下旬に湖面は氷で閉ざされ5月に氷が解ける。古代には“浄海”とも言われ、また“天使”“乳海”の愛称もある。周囲90㎞の湖畔は春に菜の花で黄色になり、初夏は薫衣草(ラベンダー)で紫の草原になり、四季折々に美しい風景が見られる。サリムはカザフ語で“願い”の意で、湖水は愛に殉じた恋人たちの涙でできたとの言い伝えがある。そこは恋人たちの聖地だった。毎年湖畔を回る自転車ロードレースがあるという。湖畔には花が咲き乱れ、周囲はトウヒの林、湖面を吹き渡る風とともに湖畔を走るのはどんな気分だろうか。山の向こうはもうカザフスタンである。はるばる中国の西の果てまで来たとの思いが湧く。