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冬の恋情その1-6
INDEX
その風景は、日の出の太陽と陽に輝く霧氷が共に歌い踊る舞台を見ているようだった。
樹々の向こうに見える朝日を見ていると、霧氷とは何かが少しわかったような気がした。もし、樹木に白い氷がいっぱいに付着した五つ星の霧淞(霧氷)であれば、きっと樹々の細かい枝を通して見える朝日を見ることができないのだろう。三つ星くらいの、多くも少なくもない、微妙な霧氷であるからこそ、霧氷を染めながら朝日が昇る風景が見えるのかも知れない。そして、まるでカンバスに描いた静脈のように見える繊細な枝。
これでもかという五つ星の霧氷より、控えめな、どこか恥ずかし気な三つ星の霧氷。これこそが霧淞島の霧淞なのかも。五つ星でなく三つ星でよかった。そんな気がした。