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仙境の村、党嶺から葫芦海に登る7
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党嶺村から900mの高低差を3時間ほどかけて登り海抜4,200mにある葫芦海に着いた。途中、出会う人もなく葫芦海は静寂の中で青い水を湛えていた。葫芦海は大雪山系にある一つ海抜5,470mの夏羌拉( シャチャンラ)を背景に碧水を湛える秘境の湖だった。夏羌拉は藏(チベット)語で“美女神仙”と言われ、2010年には日本の広島登山隊が登頂している。“美女神仙”なので、きっとそこには仙境を守る美しい女神がいるのだろう。夏羌拉は四川省にある大雪山系にある党嶺山脈の主峰で、党嶺山脈には海抜5千m以上の山が28ある。麓の蔵族の人たちにとって葫芦海は聖湖で、信仰の対象である。日本でも中国でも、山を登る時、この山はいつの季節が一番美しいのだろうと思うことがある。春の草木が芽生える頃の山、初夏の新緑、錦繍織りなす山、葉を落とし木々が寂しそうな初冬の山、冬の霧氷や樹氷、全てに趣がある。葫芦海は秋、冬にどんなに姿を変えるのだろうか。それを想像し、再び紅葉や樹氷を見に訪れたい。そんなことを思いながら湖を後にした。