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シルクロードの宝石3
INDEX
雲岡石窟の造営は前期と後期に区分され、前期は重厚壮大な石像、後期には比較的小さな仏像や仏塔型の彫刻など中小規模のものが多い。また露天仏像と洞窟内部の仏像がある。
初期の5窟(第16~20窟)は「丹瑶五窟」と呼ばれる北魏時代の仏教美術の象徴的石窟。その「丹瑶五窟」の中で第19窟の釈迦牟尼座像は高さ16.8mで、北魏文成帝年間(460年~465年)の制作。像は蓮華座に座し右手をかざしている(阿婆那印)。手かざしは安心、やすらぎを現す印だろう。洞窟内に雲岡最古の仏教物語「羅瓊伽父子相見図」が彫られ、釈迦牟尼が息子の羅瓊伽(ラウンガ、仏教経典ではラーフラ)の頭に触れる場面が描かれている。洞窟の壁一面には4千体の仏像が彫られ、19窟は五窟の中核を成し、北魏仏教美術の最高峰「万仏の冠」とされる。
第20窟の露天仏も雲岡石窟のシンボルとされる高さ13.7mの釈迦牟尼坐像である。「丹瑶五窟」の一つであるこの洞窟の仏像も、北魏仏教美術の代表作の一つで、仏像の背後、光背にドーム状天井があり、炎と蓮華紋様が彫られている。仏像は蓮華座を結び座している。丸くふっくらとした顔、高い鼻、口角が僅かに上がり、肩まで届く耳、流れるような衣装、右肩を露出させた衣装をまとったガンダーラ美術独特の様式で、中原の優美さと西域の大胆な様式が融合し、古代中国の石窟芸術の代表作の一つとされる。












