※このページに掲載した写真は個人利用に限り自由にご利用いただけます。
著作権について
シルクロードの古道を歩く
INDEX
- シルクロードの古道を歩く【夏塔古道1】
- シルクロードの古道を歩く2【夏塔古道2】
- シルクロードの古道を歩く3【夏塔古道3】
古には新疆の伊犁哈薩克(イリカザフ)自治州の伊犁から天山を越え南新疆の阿克蘇(アクス)に向かう夏塔(シャタ)古道があった。前長120㎞で海抜3、582mの哈塔木孜達坂(ハトムチタ坂)を行くシルクロードの難所である。6月の終わり、古道に魅せられ夏塔を訪ねた。
夏塔古道は“塔僧古道”とも言われ、昔、唐の僧が経典を求めインドへの旅の途中に古道で “手真可取明月”(手を伸ばせば月をつかめる)という詩を詠み“弓月道”とも呼ばれた。西遊記の主人公もこの道を歩いたと言う。古道には政略結婚で大漢帝国から烏孫の王に嫁いだ宮女の墓があると言う。色とりどりの花が咲き、白く輝く白水河が流れ、正面には海抜6,995mの汗謄格里(ハンテンクリ)峰が見え、その奥にはキルギスタンとの国境に聳える7,443mの天山山脈最高峰、托木尓(トム―ル)峰がある。夏塔古道は天への階段だった。古代の旅人はどんな思いでその古道を歩いたのだろう。夏塔古道はそこを行き交った人々の魂の鼓動が聞こえてくる道だった。白水川の畔で馬が休んでいる。古代の旅人もきっとこの風景に癒されたことだろう。