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木里(muli)王国(ジョセフ・ロックの足跡を訪ねて)
INDEX
- 木里(muli)王国(ジョセフ・ロックの足跡を訪ねて)【雅安から木里へ】
- 木里(muli)王国(ジョセフ・ロックの足跡を訪ねて)2【長海子1】
- 木里(muli)王国(ジョセフ・ロックの足跡を訪ねて)3【長海子2】
- 木里(muli)王国(ジョセフ・ロックの足跡を訪ねて)4【木里大寺】
- 木里(muli)王国(ジョセフ・ロックの足跡を訪ねて)5【都魯村、呷洛村】
2018年に行った亞丁(yading)の山々が忘れられずもう一度行きたいと思っていた。そして今回は違うルートで亞丁を目指した。
その旅は木里(muli)から始まった。四川省の成都から国道318号を通り、雅安から南に向かい、雲南省の昆明に行く高速道路を西昌で降りて西北に省道を行き木里に向かった。木里は中国に二つあるチベット自治県の一つ。平均海抜は3100m。茶馬古道の支線の要衝にある。既に漢の時代に県政府があった。
木里には政治と宗教が一体化した神秘的な文化風習を持つ母系氏族社会の木里王国があった。そして木里は小説「消失的地平線(失われた地平線)」の冒険の旅の起点と言われる。イギリスの作家ジェームス・ヒルトンの「失われた地平線」は中国四川省の西南部、雲南省のユートピア、シャングリラを舞台に4人の若者の冒険物語であるが、その小説は、米国の人類学者、植物学者、ハワイ大学植物学教授で“納西(ナシ)族”研究者であったジョセフ・ロックの納西(ナシ)族文化研究の写真や文をもとに小説が書かれた。ジョセフ・ロックは神秘の地、木里と亞丁、香格里拉を世界に紹介した。ジョセフ・ロックは木里(ムリ)王の支援を受けて木里や亞丁で数度の研究を行った。
西昌から省道を進むと山の中に分け入り、雲海の峠を超え、まさに地平線が失われて小説の世界へと分け入る感慨が湧く。