ロシアの大地を右に見ながら走っているとふと中国はどれだけの国と境界を接しているのかと思った。私たち日本人には国境そのものも想像がつかない。そう思い地図を調べて長い国境線の順に国を並べると、多少順位の違いがあるかも知れないが、モンゴル、ロシア、カザフスタン、インド、ミャンマー、ネパール、ベトナム、キルギス、北朝鮮、パキスタン、タジキスタン、ブータン、ラオス、アフガニスタンで実に14もの国と国境を接している。

一番長い国境線のモンゴルは中国では内モンゴルと区別して外モンゴルと呼ばれ、広大なモンゴル高原のモンゴル国の南は全て中国との国境である。ロシアとは二番目に長い国境線で、その殆どは額尓古納河とその下流域の黒龍江（アムール河）が国境線になっている。

宮本輝氏の紀行文「ひとたびはポプラに臥す」には新疆のタクラマカン砂漠の北を通り喀什（カシ、カシュガル）から標高7509ｍの慕士塔格（ムスタク）峰のそばを通り、紅其拉甫（コンソラフ）峠を越えてパキスタンの桃源郷、フンザに向かう旅の記述がある。慕士塔格峰氷河には来年の2023年に、コロナの問題がなければぜひ行きたいと思っている。