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“雪嶺雲杉”の原始杉の故郷
INDEX
- “雪嶺雲杉”の原始杉の故郷【庫爾徳寧1】
- “雪嶺雲杉”の原始杉の故郷【庫爾徳寧2】
カザフスタンとの国境に近い西新疆の昭蘇から喀拉峻を過ぎ省道316号を東に向かう道を途中で南に進むと西天山の森林公園、自然保護区に入る。そこに庫尓徳寧(クルトニン)がある。カザフ語で“横溝”の意味で14㎞の細長い渓谷が続く。
クルトニンは伊寧からおよそ150㎞の距離にある。
庫尓徳寧は中国最大の原始杉の森林が広がる雪山と渓谷と森林の地で、“雪嶺雲杉”の故郷と言われ、天山山脈で最も森林が豊かなところである。渓谷を行くと前方に西天山那拉堤山脈の最高峰、海抜4,257mの喀班巴依(カバンベイ)峰が聳える。喀班巴依はカザフ族の遊牧民国家の英雄で、崇敬の意で名づけられている。原始杉はペンを真っすぐに立てたような不思議な姿をしている。なんだか杉の木の一本、一本が相手に迷惑をかけないように、1本でも多くの木が育つように、枝を広げるスペースをお互いに決めて空に伸びているように見える。やはり“生命が蘇る”という伊犁河谷だからなのか。
空から“雪嶺雲杉”の森を見れば秋には周囲の紅葉と原始杉の緑が競い合い、きっと点描画のような世界が拡がるのだろう。