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生命が蘇る地3
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- 生命が蘇る地【昭蘇1】
- 生命が蘇る地2【昭蘇2】
- 生命が蘇る地3【昭蘇3】
昭蘇は新疆で唯一、砂漠の荒れた土地が無いところである。春には菜の花が咲き「小江南」とも呼ばれ、昭蘇を行く旅人は春霞に煙り、菜の花が咲き、河畔の堤の柳の新芽に春の息吹を感じた長江(揚子江)の南の“江南の春”を思い浮かべたのだろう。李白に「月下独酌」と題するおもしろい詩がある。
花間一壷酒 独酌無相親 挙杯邀名月 対影成三人 月既不解飲 影徒随我身
暫伴月将影 行楽須及春 我歌月徘徊 我舞影零乱 醒時同交歓 酔後各分散 氷結無常遊 相期邈雲漢
(花の間で酒壷を抱え、友なく一人酒を飲む、盃をかかげて名月を迎える、月と影と自分の三人であるが月は酒を飲まない、影はもっぱら我が身に随うだけである、しばらくは月と影を伴い、春のひと時を楽しもう、私が歌えば月も夜空をさまよい、私が舞えば影も雑然と乱れる、お酒にまだ酔っていない時は皆いっしょに喜んでいるが、酔っ払ってしまえば皆、ばらばらだ、私と月と影の三人は長く思いのつきない契りを結び、その契りは銀河の果てまでと約束しよう)
一人、昭蘇を旅した旅人はきっとこんな李白の思いで夜空を見上げたことだろう。