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世界の屋根と氷河4
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盤龍(パンロン)古道は新疆カシュガルとタジキスタンのイスハラ湖を結ぶ2000㎞の古代シルクロードにある古道で、カシュガルの南、莎車と塔什庫尓干(タクスコルガン)を結ぶ塔莎古道にあり、炎熱のタクラマカン砂漠と険しい山岳地帯のパミール高原を繋ぐシルクロードの古道である。古道のある地域は、厳しい気候風土で外界から隔絶された地であったため、ウィグル族、タジク族など少数民族の素朴な民族習慣や歴史文化が色濃く残っている。現在の道路は2019年に完成した車道でその全長は75㎞、S字道路が36㎞続く。最高標高は4200m、高低差1000m、山頂から麓まで大小のS字カーブが600か所もあり、連続するS字カーブを撮影するため多くの旅行者が訪れる。旧古道は緩い砂と岩の上にあるためトンネルを掘ることも、橋を架けることも難しく、S字の連続になった。
中国では「18曲がり」とか呼ばれ、S字カーブの道は車で旅する人に人気があり、四川省とチベットを結ぶ国道318号には「72曲がり」があるが、盤龍古道はおそらく中国だけでなく世界屈指のS字道路だろう。山頂から下を見ると 巨大な龍が動いているように見える。同じS字の連続の道はチベット自治区のエベレストに向かう道路にもある。ドローンで撮られた前方にエベレストが見える。その写真はただ、“すごい”の一言である。