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自然の天窓から見える青空3
INDEX
- 自然の天窓から見える青空【洞天仙境】
- 自然の天窓から見える青空2【英西峰林の村 その1】
- 自然の天窓から見える青空3【英西峰林の村 その2】
英西峰林は桂林のような壮観はないものの“小桂林”の雰囲気が漂う。三角錐の山の麓の村では村人が朝日に照らされて畑仕事をしていた。
英西峰林の近くに「九重天」と呼ぶ洞窟があった。洞窟内の遊歩道の延長は1500m、高いところは天井までの高さが50mほどもあるか思われる大きな洞窟だった。洞窟内では見事な鍾乳石がいくつも見られ、もしそれが日本にあるなら屈指の洞窟だろう。だが洞窟に入ると啞然とした。色とりどりの照明、赤、青、黄色に洞窟の壁や天井、鍾乳石が照らされ、まるで安っぽい夜の歓楽街に足を踏み入れたようでもある。
中国と日本の文化の違い、中国人と日本人の美意識の違いなのだろうか、なぜ美しい自然に野暮な色をつけたくなるのか、中国の観光地でよく見られることだが、いつも不思議に思う。自然に人の手を加えることに意義を見出すのか、あるがままでは満足できないのか。自然に対する接し方、自然を前にして感じる心の違いなのだろうか。そのネオンのような照明のそばに「最佳拍撮処」(撮影最適場所)の看板があった。冗談でしょと思い逃げるように洞窟を後にした。