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四姑娘山、大峰を登る3
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- 四姑娘山、大峰を登る【長坪溝、枯樹灘】
- 四姑娘山、大峰を登る2【四姑娘山鎮から大本営ベースキャンプへ1】
- 四姑娘山、大峰を登る3【四姑娘山鎮から大本営ベースキャンプへ2】
- 四姑娘山、大峰を登る4【四姑娘山鎮から大本営ベースキャンプへ3】
- 四姑娘山、大峰を登る5【大峰山頂】
登山道のそばに、牛の頭蓋骨を巧みに使った見事なオブジェがあった。岩の上に小石をケルンのように積み上げてつくられている。だれがつくったのだろう。牛の骨を使っているので登山客でなくおそらく地元の藏族ガイドだろうか。先祖から伝わる何かの儀式か祈りの道具なのだろうか。しばらく行くと突然、目の前に曇り空の中から白い馬が現れこちらを見ている。その姿はまさに天馬だった。登山道の尾根の右下は四姑娘山の峡谷の一つの海子溝(ハイツコウ)である。
四姑娘山の一帯は希少動植物の宝庫でもある。カラマツの仲間の紅杉、玉龍蕨と呼ぶシダ、そしてパンダもレッサーパンダも雪豹も生息する。また氷河で削られた地形の峡谷も多い。四姑娘山を知るにはもっとゆっくり時間をかけなければその真の姿はわからないだろうと思いながら登山道を登る。中国の自然の懐はあまりにも深い。思いはつのるが全てを回ることは難しい。どこかを求めるとどこかを棄てなければならないが、隣の芝生は青く、棄てた場所にも思いが募る。いつもあきらめたコースに未練を残しながら旅を続けている。わが人生と重ねながら登山道を歩く。