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四姑娘山、大峰を登る5
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かなり急な道を登っていると思いながらも自分の足元しか見えず、やっとの思いで頂上直下の4,900m地点にたどりついた。頂上で日の出と思ったがあいにく雲で覆われていた。あと100mと思ったが、その100mの足が重い。どうしようかと頂上を見上げながらしばらく考えたが、登頂を断念して引き返えすことにした。四姑娘山のお姉さんの山、大峰はキャンプから頂上まで、草木も無い、ガレ場の荒々しい山だった。山頂からすぐに氷河が削ったと思われるカールが広がり、その向こうに雲海が広がっていた。前を歩くガイドの姿が稜線に見える。まるで孤高の人のように雲を背に浮かんでいる。4姉妹の末っ子、海抜6,250mの四峰は雲におおわれたまま、ついに姿を見せなかった。四姑娘山への初めての登山で、身近に私の姿を見ようなんて、なんという思いあがり!とすまし顔で語りかけられているようだった。今度はどこかで6千mに挑戦しよう。そう思いながら口惜しさを置いて山を下りた。だが、年年歳歳“山”相い似たり、歳歳年年“我”同じからずで、果たして次の挑戦の機会は巡って来るのだろうか。