天門山と武陵源

湖南省長沙市から約300㎞

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峡幽神秘、五絶の世界

張家界市街の近くに海抜1,519mの天門山が聳えていた。その日、天門山から見下ろした張家界の街は雲海におおわれていた。天門山に霧が立ち込めると大きな天門洞の洞を通して霧が流れ、峡幽神秘の世界が拡がる。山を下りて振り返れば、菜の花畑の向うに天門洞と洞に続く石段が見え、天門山の裏に回れば静かな湖水の向うに天門洞が見えた。

武陵源は湖南省の西北にあり湖北省と接している。武陵源は張家界、天子山、索渓峪、揚家界の四つの地域の総称である。“山峻、峰奇、水秀、峡幽”の地、奇峰、幽谷、秀水、深林、溶洞の“五絶”と言われ、水墨画の中に足を踏み入れたかのようで、その奇岩群は大自然がつくる仙境と迷宮の世界だった。武陵源には土家族、白族の山の民族の少数民族が暮らしている。

武陵源の山の上には昔、千あまりの土家の家族が住んでいたが、今は五十ほどが暮らすという。三月三日は土家族の女子の祭りである。その日、若い男女は広場で踊り、女子が男子を好きになったら足を3回踏んで交際が始まる。そして九月九日に結婚式が行われる。結婚式で花嫁は新郎からプレゼントされた銀の飾りで頭と胸を飾り、赤いスカーフをつけるという。武陵源には白族も暮らす。昔、白族は文字を持たず、大きな声で歌い意思を通じた。

張家界の奇峰の峰々は山の上の台地を散策して眺めるのもいいし、渓谷を歩き、静かに瀬音を聞きながら、聳え立つ奇峰を見上げるのも格別の趣がある。張家界に入るには5つの入り口があり、ロープウェイが通じている。奇峰の間を縫うように走るロープウェイは圧巻である。土家の青年の話では張家界は年に数日、雪が積もる日があるという。綿帽子のように雪をかぶった純白の峰々を想像すると無性に雪の日に訪れたい想いが湧いてくる。

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