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感涙のブルー2
INDEX
- 感涙のブルー【牛奶海と五色海への道】
- 感涙のブルー2【牛奶海】
- 感涙のブルー3【五色海】
登山道を登りつめると、翠の輝きを放ち、静寂の中にたたずむ牛奶海(牛乳の湖)のブルーが目に飛び込む。すべてを忘れて静かに濃い翡翠のようなブルーを見続けた。じっと見ているとなぜか自然に涙があふれる。なぜ涙が出たのだろうか。
純粋な美しさに心をあらわれたからなのか。苦しい登山道を登り終えた感激からか。いやこの輝くブルーにはきっと秘められた何かがあるのだろう。だからこの地に暮らす人はここを聖地にしたのだろう。
漢の時代、曹操は「短詩行」で「山不厭高 海不厭深」(山は高き、を厭わず、海は深き、を厭わず)と詠んだ。山も海もあるがままに存在している。人はそのようにありたいと願いながら自然を見る。だからその純粋さに感動し涙が出るのかもしれない。
牛奶海は、そこを訪れる旅人の心を癒す菩薩の湖だった。高度にも慣れてきたのか、牛奶海を遠くから見たいと思い海抜5,000mくらいまでさらに山を登った。そこは人もなく、高山から吹き下ろす強い風が痛いほど顔に吹き付ける風の世界だった。牛奶海の碧と空の碧、その色はいつまでも心の中の碧となって残るだろう。