感動中国100 記事一覧
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第49回
納西(ナシ)族の故郷を歩く麗江三古鎮
麗江三古鎮は青蔵高原と雲貴高原の接点に位置する。三古鎮で最も古く、納西(ナシ)族が最初につくった古鎮、麗江の市街から北に8㎞にある白沙古鎮を訪ねた。古鎮から見上げると圧倒される迫力で玉龍雪山が眼前に迫る。三古鎮で最も素朴さが漂い静かな雰囲気に浸れるのが白沙古鎮である。いつ頃に建てられたのだろうか黒瓦の大きな屋根の布の店の屋根のカーブが空と一体となりなんとも言えない存在感をかもしだしている。
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第48回
茶馬古道に聳える聖なる雪山香格里拉(シャングリラ)石卡雪山
山頂へのロープウェイが突然止まり、どうも点検をしているらしい。少し不安だったが、おかげで途中の素晴らしい風景をゆっくり楽しむことができた。石卡雪山の中腹には杜鵑花(シャクナゲ)の広大な林が拡がり、杜鵑村という村もある。季節にはサクラソウだろうか、黄色の錫金報春(プリムラ)や瑞香狼毒というジンチョウゲの花が咲く。中腹の亜拉青波草原は牧草の質がよく、良いヤクの乳がとれる。
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第47回
シャンバラを歩く阿布吉措
登山道を登りきるとチベット仏教の五色の祈祷旗、タルチョ(風馬旗)が風になびき出迎えてくれた。その向こうが阿布吉措(アプチソ)である。アプチはチベット語で神秘の、ソは湖で神秘の湖である。阿布吉措を見下ろすところまで登って見えた360度の風景は言葉で表せないほどの素晴らしい景色だった。当日はあいにくの曇り空、青空のもとではどんな風景になるのか、案内をしてくれたチベット族ガイドのབློབཟངཕུནཚོགས(拉茸批楚)さんに聞くと、彼は青空の下の阿布吉措の写真を送ってくれた。
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第46回
神の村トレッキング雨崩、冰湖、神瀑、神湖
雨崩村に行くには飛来寺から山を下り西当温泉のある標高2,535mの西当村に行き、そこから徒歩又は乗合自動車で行く。地道の狭い山道を、土煙を上げ車は走り、1時間ほどで雨崩に着く。徒歩なら1日コースである。車か徒歩か迷ったが歩いても森林の中を行き展望もあまりないとのことだったので車に乗った。もし歩いていたらさぞ土埃で服の中まで砂が入っていただろう。雨崩からの戻りは同じ道を車で戻るか、徒歩なら尼農峡谷の崖の狭い道を1日かけて歩く。
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第45回
長江上流と幸せを呼ぶ山金沙江、梅里雪山
チベットから仏像が飛来したという覚悟南卡扎、別名飛来寺の傍に梅里雪山を真正面に望む観景台がある。飛来寺は梅里雪山の麓の村、雨崩への玄関でもある。朝陽に輝く梅里雪山は日照金山と呼ばれ、それを見ることが出来たら幸運に恵まれると言う。金色に輝く梅里雪山を見たいと思い、まだ暗い中を観景台に行った。既に何人かの日の出を待つ人たちがいた。そして太陽が頂上に射すとその名の通り頂上は金色に輝いた。
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第44回
廬山会議の歴史の地を訪ね五老峰を登る廬山/五老峰
李白は「日照香炉生紫煙 遥看瀑布挂前川」(陽が香炉を照らして紫煙が立ち上っている、はるかに前方には大きな滝が見える)と廬山を詠んだ。廬山には山の上にイギリス租界時代に建てられた多くの別荘が残り、観光施設として活用されて多くの観光客が訪れる。1946年に蒋介石と米国特使マーシャルが国民党と共産党の今後について協議した「国共談判」の地であり、また1959年には毛沢東が中国共産党中央政治局会議を行った、いわゆる「廬山会議」の地でもある。歴史の地を歩き、廬山の東南に聳える五老峰に登った。あいにく中国一の淡水湖、鄱陽(ポヤン)湖は霞んで見えなかった。
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第43回
朝日に輝き雲海に浮かぶ岩峰丹霞山
山に登り日の出と雲海、そして雲の海に浮かぶ岩峰を見たいと思い丹霞山を訪れた。朝早くまっ暗な中、民宿を出発した。始発のロープウェイに乗ったが、何組か大きなカメラを持つ人達がいた。ロープウェイを降りるとグループは散り散りになった。夫々お気に入りの私の撮影スポットがあるようだ。日の出前、赤色砂礫岩の岩峰がまるで海に浮かぶ島々のように雲海に浮かんでいる。しばらくすると雲の上に少し太陽が顔を出すと赤い一筋の線が伸びて岩峰が輝き始めた。そして背後の山の紅葉もさらに赤く輝きはじめる。遠くには街の明かりが小さく見えている。
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第42回
野焼きの煙たなびく桃源郷と嶺南建築古鎮百里水墨画廊/黄姚古鎮
李白の詩に「山中与幽人対灼」(山中で幽人と酒を酌み交わす)がある。「両人対酌山花開 一杯一杯復一杯 我酔欲眠卿且去 明朝有意抱琴来」(二人で向かい合い酒を酌み交わしていると山の花が開く、 一杯、一杯、さあまた一杯飲もう、私は酔ってしまい眠たくなった、君はもう帰っていいよ、明朝、気が向けばまた琴を抱いてくればいい)の詩がある。思いがけずにふらっと立ち寄った“百里水墨画廊”のある鐘山県の村は一杯一杯また一杯の言葉と琴の音がふさわしい村だった。桃源郷の中で 琴の音を聞き、月を見ればどんなに幸せなひと時を過ごせるのだろうか。
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第41回
山を彩る金色の絨毯龍脊棚田
稲を刈る前の黄金の棚田、雪の棚田、田の水が輝く棚田、青々とした棚田、霧がながれる幻想的な棚田。季節により棚田で見る夢も違う。自然をあるがままに受け入れて棚田は代々子孫に引き継がれた。毎日、何百mも山を登り、田を耕す。大変なことと思いながら棚田を見ていると、どこからか“そんなことはあたりまえ、だってもう千年も同じことをしてきたのだから”という声が聞こえたような気がする。今年も棚田は農機具を使わずに人の手で耕やされ、実りの秋を迎えた。その日、龍脊棚田の朝は雲に覆われ、陽が昇ると霧が流れて黄金の棚田が姿を現した。山肌を縫うように曲がりくねってどこまでも続く棚田。だから龍の背と名付けられたのだろうか。