2017年夏 奈良県、大峰山系、稲村が岳
京都、大阪のさらに南、奈良から紀伊半島の南、和歌山、三重に至る地域を古くから「熊野」と呼んでいます。桜で有名な「吉野」や「高野山」は熊野への玄関です。熊野には、世界遺産の「熊野古道」があります。石畳や木の根道の古の風景が今も残り、熊野は山岳信仰の地です。紀伊半島の真ん中には近畿の屋根とも呼ぶ「大峰山系」があり、日本有数の雨の多い地域で、渓谷美で知られています。私は高校時代に大峰山系の美しさに魅せられ、何度も弥山川という渓谷を登り大峰山系主峰の弥山や八経ヶ岳、釈迦ヶ岳に登りました。渓谷の途中でテントを張り、そこで見た星空の美しさは今も瞼に浮かんできます。それから50数年たち、再び弥山川を登り、若き日の想い出に浸りたいと今、考えています。手始めに大峰山系の一つ、稲村が岳に50数年ぶりに登りました。